2007年7月11日水曜日

Puerto verde:ケーペニック地区のウォーターフロント開発

 新聞報道によるとケーペニック地区のウォーターフロントに運河を引き込み、ヨットハーバーを備えるなど、水とのふれあいを楽しめそうな住宅開発の予定があるそうだ。現在「Puerto verde(緑の港)」と呼ばれているメーアマングループ (Meermann-Gruppe) の開発計画がそれだが「ケーペニック」と聞いてピンと来るのは、よっぽどのベルリン通かドイツ文学者くらいだろう。
 ケーペニック地区は、旧東ベルリンの東南に位置し、ベルリンを貫流するシュプレー川やムッゲルゼー湖を擁する緑豊かな地区でベルリンの都心へは電車で30分ほど。東ベルリンの住宅地と言うと社会主義の高層アパートが建ち並ぶ殺伐とした団地を思い浮かべるが、この地区は一戸建ての郊外型住宅や別荘のような建物も多い。西ベルリンにはツェーレンドルフという郊外型高級住宅地があるが、その東ベルリン版と言うと少しはイメージが思い浮かぶかもしれない。
 ちなみにドイツ文学者の間では、「ケーペニック」はカールツックマイヤーの戯曲「ハウプトマン・フォン・ケーペニック」で有名だが、これは失業中の靴職人が大尉の制服を着て大尉に成り済まし、ケーペニックの役場の金庫を開けさせたという実話をもとにしており、その場所がケーペニックだったというわけだ。
 閑話休題。
 ウォーターフロント開発の話に戻るが、この計画はRegattastraße(レガッタシュトラーセ通り)とダーメ川に挟まれたかつての敷地に400戸の集合住宅を建設する予定だが、この敷地はかつて化学工場によって利用されていたことから、現在土壌、水質汚染の状況が審査されている。完成すれば敷地には深さ80センチメートルの堀が作られ、水が引き込まれて水郷の様相を呈することになる。
 ここは現在拡張工事が進められているシェーネフェルト空港(ベルリン・ブランデンブルク国際空港(BBI))や研究学園都市アドラースホーフにも近く研究者や専門労働者の入居も見込まれる。ちなみに分譲価格は25万ユーロからというところだそうだ。

参考リンク:ノイ・ヴェネディッヒ(ケーペニック地区の一例)、レーニン像はどこへ行った?(ケーペニック地区にはこんなものも埋まっている)

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