2007年6月25日月曜日

地価上昇が歴史的建造物の保護に貢献?


 ビール工場の跡地を利用した再開発事例はベルリンにはいくつもあるが、新たな事例がもう一つそこに加わるかもしれない。新聞報道(Berliner Tagesspiegel Online、07年6月24日)によるとプレンツラウアーベルクのビール工場(Bötzow-Brauerei)跡地を所有する Divaco 社が、一度頓挫した再開発計画を再開しようとしているらしい。
 この工場跡地は、1993年に同社の所有となったが、大規模ショッピングセンターの建設計画は、歴史的建造物として保護の対象になっているビール工場舎屋の改修費用が明らかにならないことなどにより実現しなかった。しかし90年代の末以降、プレンツラウアーベルク地区がベルリンの中のブームタウンとなったことで地価も上昇し、また住宅、ホテル、飲食店といった分野からの再開発への問い合わせも増加してきたとのこと。
 これにより大規模ショッピングセンター/モールといった地域の特性にそぐわないものではなく、職住接近型の複合的再開発の可能性がにわかに浮上してきた。そのような計画には行政当局も建設許可の交付に前向きだ。プレンツラウアーベルク地区にはすでにKulturbrauerei(クルトゥアブラウエライ:文化醸造所)というビール工場の建物を効果的に利用した再開発事例があるが、そのような事例がまた一つ加わるかもしれない。

参考記事:
・「(シリーズ)ベルリン廃墟スタイル
・「Walzerlinksgestrickt(ヴァルツァーリンクスゲシュトリク:ダンススクール/ダンスホール

2007年6月18日月曜日

GOYA再オープン


「出資者のクラブ(ディスコ)」として注目を集めながらも、2006年の夏に経営が破綻し閉鎖に追い込まれていたクラブGOYA(シェーネベルク地区)が、この6月に再オープンした。
このクラブは、一生涯の無料入場「権」をもった会員=投資家の資金のよって運営されるというビジネスモデル、豪華な内装と高価な音響機器で市民の羨望を浴びていた物件。ベルリンバブルの産物とでも呼ぶべきパーティー会場だったが、入場者数に対して多すぎるスタッフ、出資者のクラブという閉鎖的なイメージからビジターが入らなかったことなどから経営が破綻した。
新聞報道によればこの経営を引き継いだのは、経営コンサルタントTreugastの社長であるシュテファン・ゲルハルト (Stepfan Gerhard)(52歳)で、これまでにも数々のイベント事業を成功させてきた人物。
GOYAの豪華な内装は以前のままだが、厨房や豪華すぎる調度品は撤去され、音響機器も簡略化され、スタッフ数も大幅に削減された。採算を得るには、年間120のイベントを行う必要があるとのことだが、すでに10数件のイベントが予約されているということだ。

GOYAの場所は、地下鉄U1/2/15のNollendorfplatz駅を下車し南に出るとすぐ目の前。