2007年7月12日木曜日

ベルリンの家賃上昇中

 7月11日、ベルリン州都市開発省は、2007年版の「ミートシュピーゲル (Mietspiegel)」を発表した。Mietspiegelとは、家賃を意味する「ミート (Miet)」と鏡を意味する「シュピーゲル (Spiegel)」の合成語。つまり家賃の状況を映し出す鏡、漢語風に訳せば「家賃鑑」ということ。ちなみにドイツの有名な雑誌に「デァ・シュピーゲル」があるが、その「シュピーゲル」と同じ。
 この鑑(かがみ)は、ベルリンの家屋や環境の状況を映し出し上-中-並の三段階で対象物件を評価しているが、これまで家賃が比較的安いとされてきたクロイツベルク地区や若者の街プレンツラウー地区の一部で従来の並から中に格上げされたところがある一方で、郊外の新興住宅地、例えばシュパンダウ地区のシュターケンや、旧東ベルリンの高層アパートのうち改修が済んでいないもの、例えばティアパーク近くのものなどが、中から並に格下げになった。格下げの理由には、住宅の密度の上昇や改修が必要な時期にさしかかっているといったことがある。
 この評価は、管理運営費や暖房費を除く家賃を決定するときの参考にされること多く、家主が家賃引き上げを決めたり、あるいは住民がそれに反対する際の根拠として利用される。ドイツ中世の代表的な法律集に「ザクセン-シュピーゲル」という「シュピーゲル」があるが、ベルリンの「家賃シュピーゲル」も一種の規範として機能しているようだ。
 気になる家賃だが、並評価の家屋の家賃の平均が1平方メートルあたり4.44 EUR、中が4.80 EUR、上が5.30 EUR。全体の平均が4.75 EURだそうで、これは年0.13 EUR(2.9%)の上昇という結果になった。住民にとっては有り難くない話だが、ハンブルクの6.26 EURやミュンヘンの9.30 EURに比べればベルリンはまだまだ恵まれている。
 「ミートシュピーゲル」は、州都市開発省のHPからダウンロードでき、色分けされて見ることができるので、ベルリンに移住あるいは不動産投資を考えている方は、参考にされてはいかがだろうか。

参考リンク:ベルリン州都市開発省のHP(ミートシュピーゲルもここからダウンロード可能)

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